五感を駆使したUIで問題点を解決する

民生用機器ではほとんど見られなくなった機械式デバイスによる操作部を持った製品が産業用や専門的な業務用機器の分野ではまだまだ数多く見られます。
それらは長年の間に改良が重ねられ「人間(が使うもの)らしさ」が感じられるものが多く、捨てがたい魅力を持っているものが少なくありません。
ただ、多くは製造コストの面や製品の信頼性の問題で電子デバイスへの切り替えが急速に進み始めています。

先日お手伝いした案件は、ある専門領域の製品で、操作の重要なある部分が指先でクルクル回す方式の製品でした。開発担当の方が、次期製品開発にあたって、それをタッチパネルに置き換えようとされたのですが、競合他社と比べて好評を得ている現在の機械式操作部のクリック感をどのように持たせればよいのか悩んでいらっしゃいました。 確かにその製品のクリック感は何とも言えず心地よい操作感を持っています。

それをUI視点で、例えば「音」で解決できないかというご相談を受け、さっそく検討に入り、何度も試作を重ね、試作品にその音を載せてみました。早く回した時、だんだんゆっくり回して行った時、クリック感を音で感じてもらえるようにしたのです。

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私もさっそく試させていただいたのですが、これまでの製品と違うものだということが全く感じられませんでした。
大成功!! 開発者の方も安心してその後の製品化を進められています。

これはあくまで一例ですが、デバイスの変更などに伴う問題点を五感を駆使したUIで解決していく。
今後の産業用や業務用製品の新製品開発にあたって考えるべき大事な要素のように思います。

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