Android5.0 テーマ「Material」について

はじめまして、フェノメナエンターテインメントの「おっちゃん」です。
社内では、C++、Flash ActionScript、Android Javeなど技術全般を担当し、デザイナーと協力してUI仕様の作成やアプリケーションの開発をしています。

このブログでは、最近の開発でメインとなっているAndroidのGUIについて書いていきたいと思います。 昨年Android5.0 が公開され、今後発売されるスマートフォンにはAndroid5.0がプリインストールされた状態で発売されるでしょう。既存の機種に関しても、Google社製端末は既にAndroid5.0.1へのアップデートが行われています。

(03/18追記) このブログを公開した直後にAndroid5.1のアップデートが始まってしまいました。 Android5.1では複数SIMサポートの機能追加とバグフィックスが主な変更点なようです。 また、SDKはAPI22になりました。

Androidには、アプリケーションを統一したデザインで作成するためのテーマと呼ばれる仕組みがあります。 Android5.0 では、これまでのテーマ「Holo」に加えてテーマ「Material」が追加されました。
テーマ「Holo」も使用することができますが、これからアプリケーションを作成する場合には、テーマ「Material」を設定して作成することが多くなると思われます。 そこで、テーマ「Holo」と「Material」の見た目の違いを説明していきます。
 

1.開発初期の状態

下の図は、開発環境でプロジェクトを作成しAndroid3~4の標準的なテーマ「Holo」を設定したアプリの初期画面です。黒基調、白基調、白基調+黒タイトルの3種類があります。

Holo

 テーマ「Material」も同様に3種類のスタイルが用意されています。          

Material
ぱっと見るとあまり違いを感じませんが、画面を拡大してみると全体的に「ボヤ~」とした感じになっています。 ここから、色設定やサイズ調整などのデザイン調整を行い独自のアプリケーションを作成していきます。
 

2.アクションバー

アプリケーションのタイトル部分をAndroidでは「アクションバー」(ActionBar)と呼びます。 テーマ「Holo」では多機能かつ独立性の強いコントロールになっていましたが、テーマ「Material」では機能が少し整理されています。

ActBar
見た目で大きく違うのは、バーの高さとアプリアイコンの有無でしょう。

・バーの高さ
アクションバーの高さがスマートフォン縦向き画面の場合、48dp から 56dp に変更になりました。テーマ「Holo」のアプリをバージョンアップする場合に、ボディーの部分が入りきらなくなる可能性があるので注意が必要です。

※単位のdpとは、dipとも呼ばれるAndroid特有の単位です。 レイアウト時にこの単位で指定すると端末で決められた倍数のピクセルに変換されます。 同じインチ数のディスプレイであれば、解像度にかかわらず同じ大きさに見えるようになる便利な仕組みです。 dp に関しては、今後のブログで書く予定です。

・アプリアイコン
テーマ「Holo」では、デフォルトの状態でアプリアイコンが表示されていましたが、テーマ「Material」では表示されなくなりました。

・タイトルバー文字サイズ
タイトルバーの文字サイズも大きくなっています。
 

3.ウィジェット(コントロール)

ウィジェット(コントロール)にも変更があり、主に色や押下時のアニメーションが追加されています。

Contorol     
 
ON/OFFスイッチはウィジェットの幅が変更されたため、アプリを移植する場合レイアウトが崩れる可能性があるので注意が必要です。

Android4.0まではパーツは全てPNGファイルで表示されていましたが、Android5.0からはシェイプで描画されるため、ウィジェットの色をスタイルやプログラムで変更できるようになりました。
 
 

次回は、テーマ「Material」の特徴であるスタイルでの色変更について書きたいと思います。

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